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位置情報の原点は天体観測

市販されている地球儀を見ると、わずか傾いて作られています。地球が太陽の周りを回っている(公転)ことは周知の事実ですが、この公転円に対し、わずか傾いているということがわかっています。つまり地球はこの傾きを維持しつつ自転しながら公転しているという事になります。よくそんなことが現在のGPS(全地球測位システムと略されていますが、現在では主な主要国のシステムも含めた「GNSS(全地球航法衛星システム)が一般的)全盛の時ならいざ知らず、わかったものだと驚かされますが、きっかけは天体観測からと言われています。人類は見上げた空の神秘さから天体観測は早くから行われていたことが知られおり、昔は航海中の船では、目標とするものが何も無い海上では、六分儀を使って北極星との位置を基準とした天体観測で現在地の位置情報を得ていました。これを地上でも同様に応用でできるものとして、昔から位置情報の入手に使われ、各地の地図作成に生かされていました。一方で冒頭の地球儀はそこまで反映していないでしょうが、地球が赤道を最大とする回転楕円体であることも早い段階でわかっていたようです。日本地図の原点ともいえる伊能忠敬による「伊能図」は位置情報として反映はしていなかったものの、緯度を参考としていたことは伝えられています。この世界地図には欠かせない緯度経度の把握も地球レベルの地図作成には重要な要素となっていました。ちなみに世界の経度基準線は、イギリスの旧グリニッジ天文台を通る子午線を基準として、日本の場合はいろいろな経緯をたどったあと現在では東京都港区に経緯度原点が設けられています。これらはいずれも天体観測により補正が施されていったもので現代では人工衛星などにより地球規模での測量システムでその精度はめざましい向上を遂げていると言ってもいいでしょう。